スキンケアの基本1 脂まみれの汚れはお風呂でしっかり落とす
「真のスキンケア」の実践で基本的になるのは、皮膚を清潔に保つことです。
とくに重要なのが、
毎日塗っているステロイド薬や保湿薬などの脂、かゆみのもととなる汗、皮膚の新陳代謝を邪魔している古い角質などを、お風呂できちんと洗い落として清潔にすることです。
日々の入浴をおろそかにせず、自分の肌と向き合う「スキンケアのゴールデンタイム」と考えましょう。
ところで、アトピーの人にお風呂でどのように体を洗っているかたずねると、
「乾燥肌なので、なるべく石けんを使わずに、洗い流すだけにしている」という声をよく聞きます。中には、石けんを使わないどころか、入浴も2~3日に1回という人がいました。
「その理由は?」と聞くと、「石けんで洗うと肌を乾燥させてしまうから」。
本やインターネットでは、「石けんで洗うと皮脂が失われて肌が乾燥しやすいため、アトピーの人は石けんを使わないほうがいい」という記事を目にする機会が多く、著名人の中にも石けんを使わない人がいるとか、欧米人は2~3日1回しか体を洗わないなどの情報も紹介されています。こうした話をもとに患者さんたちも、できるだけ石けんを使わないようにしているようです。
アトピーではない健康的な肌の人、欧米のように乾燥しがちな地域に住んでいる人の場合であれば、汗をあまりかかない冬場などは皮膚の乾燥を防ぐために、石けんを使わずに洗ったり、入浴も2~3日に1回にしたりすることもあるでしょう。アトピーの人は皮膚が乾燥しがちなので、石けん洗いをしないというのも一見、理にかなっているように思えます。
しかし、実はここに1つ、大きな落とし穴があります。少し深掘りしてみましょう。
日本のように高温多湿な地域の場合、1日を過ごした皮膚の表面では、たとえ冬場でも皮脂膜に汗やほこり、古くなった角質などが混じって汚れています。そこにステロイド薬やプロトピック軟膏、保湿薬などを塗り重ねれば、皮脂膜にさらに薬の層が重なっている状態です。
残念ながら、こうした体表についた脂分は、お湯で洗い流しただけではしっかり落とせません。そこに毎日、外用薬を塗りつづければどうなるでしょうか? 落としきれないまま皮膚に残った外用薬は、古い天ぷら油と同じように酸化して皮膚を刺激する原因にもなります。また、汚れた皮脂と外用薬の脂分、さらに古い角質がどんどん堆積し、皮膚の新陳代謝力をさらに低下させるという悪循環に陥ってしまうのです。
こうして皮膚に古い細胞(主にたんぱく質)と脂分がこびりつき、さらに体温と汗(水分)が加わることで、雑菌にとって繁殖しやすい格好の培養地が皮膚表面にできあがります。とくに子どもは活発に動くので汗をかきやすく、体温も大人より高めです。体の蒸れと雑菌の繁殖によって、皮膚は炎症やかゆみを引き起こしやすくなります。お母さんたちが、よかれと思って厚塗りしている保湿薬は、逆効果になってしまう場合があることを、ぜひ知っておいてください。
そこで、
私もアトピーの相談にきた人たちに対し、皮膚表面についた脂混じりの汚れや外用薬は、毎日しっかり洗い落とすようにアドバイスしています。
以上 書籍【薬に頼らずアトピーがよくなる7つのカギ】
◆第3のカギ 真のスキンケアより
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【薬に頼らずアトピーがよくなる7つのカギ】
(目 次)
はじめに
◆序章 アトピーは治らない病気ではない
悪戦苦闘して行き場を失っているアトピー難民
約30年で倍増したアトピーの患者数は45万人以上
そもそもアトピー性皮膚炎ってどんな病気?
病院で行われている「標準治療」とは
医師も患者のステロイドに頼らざるをえない事情
患者さんの約20%は非アレルギー体質
子供のアトピーはお母さんにとってもツライ
職場も苦労が絶えない大人アトピー
症状と身体的特徴に関連性があった
治療経験から導き出した『7つのカギ』
◆第1のカギ 自然治癒力のしくみ
皮膚の構造を知ることが基本
皮膚は3つの層が重なり合っている
細胞の新陳代謝が健康で丈夫な肌を作る
「かゆみ」には2つのタイプがある
新陳代謝は空気に触れてこそ活発になる
かゆみを我慢できなときに必要量だけ使う
免疫力をつける段階でステロイドを使うリスク
◆第2のカギ 薬の使い方
薬の実態は化学合成物
ステロイド薬は5つのランクに分類される
万能のステロイド薬は副作用もともなう両刃の剣
薬は塗る場所によって吸収率が違う
どのタイプの塗り薬も過剰な使用は皮膚を弱める
薬剤の中止や減量によって起こるリバウンド現象
リバウンドの経験パターン
薬の使い方を見直してアトピーが改善した例
薬との距離感を見直してみよう
その薬の使い方は自然治癒力を弱めていないか?
◆第3のカギ 真のスキンケア
スキンケアの目的とは?
保湿薬の過剰な使用に注意
《スキンケアの基本①》脂まみれの汚れはお風呂でしっかり落とす
《スキンケアの基本②》肌のカサつきや乾燥をやわらげる石けん2度洗い
《スキンケアの基本③》皮膚を傷つけない「かゆみ」の対処法
《スキンケアの基本④》かゆみをやわらげる手足マッサージ
◆第4のカギ 体のゆがみの調整
体のゆがみがアトピー体質の要因になっている
体のゆがみは全身に影響する
体がゆがむと自律神経や血液循環も悪化
ゆがみのタイプと病気には相関関係があった
姿勢や動作に無関心でいるとゆがみは悪化
体のゆがみを自分でチェック
体のゆがみを招きやすい姿勢や動作
アトピー体質を改善する『ゆがみ改善エクササイズ』
◆第5のカギ バランスのいい食事
人の体は食べた物からできている
5大栄養素をバランスよくとることが最も大切
日本人はミネラルの摂取量が不足している
アトピーの人の食生活にみられる問題点
糖質や資質の取りすぎは炎症を悪化させる
自分に不足している食品を要チェック
消化がよく、デトックスしやすい和食がおすすめ
◆第6のカギ 睡眠の質の向上
就職後にアトピーが再発した女性の問題点
睡眠時に最大の自然治癒力が発揮される
睡眠には「浅い眠り」と「深い眠り」の2種類がある
最低でも6時間、できれば7時間半が理想
ぐっすり眠るための睡眠環境と就寝前の準備
◆第7のカギ ストレスの軽減
心の状態が身体機能に影響する
ストレスは炎症やかゆみを増幅させる
気持ちの切り替えが早い人は治りも早い
あなたのポジティブスイッチをONにする
気持ちを整理するアトピー日記
視線を少しずらせば明るい未来が見えてくる
7つのカギで扉を開けて本来の肌へ
◆終章 すべての扉を開けた人たちの体験談
アトピー完治の光が見えてきました(10歳 小学生女子の母親)
かゆみが治まって無事志望校に合格しました (14歳 男性中学生)
かゆみから解放されて涙が出るほどうれしかった(27歳 男性会社員)
薬を使わずにふつうの生活ができています(33歳 女性会社員)
海水浴をしても皮膚がしみないことに感激した(18歳 男性高校生)
生活指導のおかげで薬を使わずに湿疹が治まってきた(49歳 女性会社員)
全身に広がったアトピーが2年で目立たなくなった(37歳 男性会社員)
おわりに
・お子さんを薬剤漬けにしたくない親御さん
・病院でステロイド剤を勧められた方
・ステロイド剤を使用してもよくならない方
・ステロイド剤をはじめ薬剤を止めてもよくならない方など、
健康で丈夫な身体になるように、一緒にがんばりましょう!!
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